カリキュラムラボ
「カリキュラム・ラボ」は関西国際学園の「頭脳」です。
関西国際学園の教育理念である「国際社会で活躍できるリーダー」を育てるため世界各国からさまざまなプログラムを集め、それらを有機的に組み換え、独自のカリキュラムを構築しています。
「社会でリーダーとして活躍するためには、どのようなカリキュラムが優れているのか」という点に絞って、学園創立の2001年から試行錯誤を続けてきました。
英語を教えるインターナショナルスクールではなく、グローバル社会で必要な言語力、知識と人間性を養うリーダー教育を実現するためにカリキュラム・ラボは存在しています。
カリキュラムの構築
カリキュラムの構築は、カリキュラム・ラボの理念の核心です。
カリキュラム・ラボは、 人材開発、研修部門、テクノロジーと教材開発の4つの部門で構成されています。
各部門には、ラボ専任スタッフと担任クラスを持っている各部門の統括主任(乳幼児部、幼稚園部、初等部、中高等部)が在籍しています。
世界中の英語教育や多言語教育に基づく教育理論や指導法を研究し、現場に取り入れています。
このように、研究と実践を繰り返しながら、私たちのカリキュラムは常に進化を遂げています。
オリジナル教材の開発
関西国際学園独自のカリキュラムに合った教材の開発にも力をいれています。
子どもの発達段階に応じた教本や練習帳などを考案し、作成しています。
スタッフの育成・評価
子どもたちはもとより、教師も生涯の学習者でなければなりません。生徒数の増加と共に、学園の拡大とスタッフの増加もしています。
関西国際学園には世界中から異なる経験をもった20ヵ国以上の国籍から成る、教育に対して真剣に取り組んでいる教師陣が集まっています。誰も受けたことのない世界初の日英バイリンガルPYPスクールとして、新しいマルチリンガル教育を提供するために、常に挑戦を続けています。
教育の質をより高めるため、全体研修を行うほか、新人研修、救命講習、First Aid講習、遊びの大切さ、算数の取り組み、などさまざまな研修を行っています。また、積極的に他の学校で行われる研修に参加したり、カリキュラムラボ顧問の茂木 健一郎氏や各分野で活躍されている方々をお招きしてのスペシャルゲストワークショップも行っています。
IBスクールとして定期的なIBワークショップへの参加と園内開催のIBワークショップも行っています。探究学習についての理解を深め、子どもたちの評価方法、読み書き、探究を通しての算数の取り組みについてなどさまざまなテーマの研修から得たものを共有し、クラスでの指導に活用します。
イタリアで開催されたレッジョエミリアの5日間研修にも3名のスタッフが参加し、世界各国で取り入れられている子ども主体のプロジェクト学習についても学んできました。子どもたち一人ひとりのさまざまな形の自己表現の機会を見逃さないよう、子どもたちの作品や日々の行動観察の重要性を再認識し、スタッフ研修にも取り入れています。
また全校スタッフの評価を行っています。指導計画の確認、子どもの個性に合わせて柔軟な対応ができているか、掲示物や教室作りなど細かいところまでチェックし、評価します。
スタッフ研修の機会や、定期的なミーティング、スタッフ間の協力体制作りなど、関西国際学園の教師として常に子どもたちのために最高の教育環境を提供できるよう日々取り組んでいます。
他校見学(国内外学校見学)
学園を代表してラボメンバーや教師陣が、毎年世界各地の学校を見学に行きます。スイス、イギリス、オランダ、フィンランド、オーストラリア、カナダ、ハワイ、アメリカ本土などの学校を見学し、世界最先端の教育を生で体感し、教育者と意見交換をすると共に、関西国際学園を認知していただく貴重な機会です。一つとして同じ学校はない、というのが学校見学で常に感じていることです。そして、素晴らしいと思う学校の教育者の方々は「学校は、教育は、常に進化しないといけない」として、子どもたちの個性を尊重した生徒主体の学びの場を実践されています。
海外学校視察の報告はスタッフや保護者の方々とも共有し、世界各地で取り入れられているカリキュラム、バイリンガル教育事情、指導方法、施設、教師研修などについて関西国際学園の発展にさまざまな形で取り入れています。また、子どもたちの短期長期留学先の開拓をし、世界各国のスクールと提携をしています。
スタッフの採用
子どもたちの安全と安心を守るため、採用時は教育者としての資質・能力を厳しく審査します。書類選考、面接と模擬授業の3段階を経て採用となります。前職からの推薦状、無犯罪証明書の提出を必須としており、推薦者に直接コンタクトををとり人柄を見極めます。
採用後もカリキュラム研修、健康と安全の研修などを受けながら人事スタッフとの面談を重ねます。
カリキュラムラボ顧問
茂木健一郎
現代的な学力観の本質は、その人が興味を持つことはさまざまだから、その方向はあらかじめ指定しないで、ただ、その興味を持ったことについて調べる方法論には共通点があるから(データを集めたり、数理的に解析したり、批判的思考をしたり)その能力を育む、というものである。
この学力観の下では、たとえば、歴史的知識の集合があって、その集合のうち何%を知っているか、というタイプの問題はナンセンスということになる。また、「教科書」の内容をあらかじめ標準化して、その標準化された内容をマスターすることが教育の目的であるということにもならない。つまり、学力の内容がプロセスになってメタ化するのであって、そのメタ学力の適応対象は人それぞれということになる。
このような学力観の下では、すべての入試はAO入試にならざるをえない。なぜならばそれぞれの人が取り組んでいることは100万人いたら100万通りあるから。標準的な単一のテストではそれを評価できない。